「100万回生きたねこ」は、長年にわたり愛され続けている名作絵本です。
私の子供時代からも親しまれており、幼い頃の心に強く残る印象深い作品でした。
なにげなく雑誌を読んでいたところ、とある著名人に紹介されていました。
この絵本はなぜか印象に残っていたので、雑誌で紹介されていてその人のおすすめの書籍としての紹介でした。
なんとなく気になったので購入して久しぶりに読みました。
子供の頃は物語の通りの内容読みに留まりますが、大人になって絵本を読むと、比喩があるようだったり、詩的にも読める作品があります。
改めて読み返すと、その奥深いメッセージに深く感銘を受けました。
この作品は、猫が100万回生き返るという幻想的な設定を通して、人生の儚さと尊さ を描いた作品です。
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輪廻転生を通して描かれる、命の尊さと儚さ
「100万回生きたねこ」 の主人公であるねこは、100万回という膨大な回数、様々な飼い主のもとで生き返ります。
どの飼い主も猫が死ぬと泣くほど悲しみました。
しかし、ねこは一回も泣きませんでした。
裕福な家に生まれたねこ、野良猫、捨て猫、飼い猫など、様々な経験を通して、ねこは生老病死 の苦しみを味わいます。
しかし、ねこは決して絶望 することなく、何度でも立ち上がり、人生を歩み続けていきます。
この不屈の精神 は、私たちに生きる力 を与えてくれます。
同時に、ねこが経験する様々な人生 は、私たちに命の儚さ を教えてくれます。
どんなに幸せな人生でも、いつかは終わりを迎える という事実を、ねこは私たちに突きつけてきます。
だからこそ、今この瞬間を大切 に生きなければいけないという、強いメッセージ が込められているのです。
はじめての涙
白猫の死により今まで一度も味わったことのない、全身を貫くような深い悲しみに、100万回死んできた猫は初めて涙を流した。
これまでにも、王様、サーカスの手品師、泥棒など、様々な飼い主のもとで数え切れないほどの死を経験してきた。
しかし、その度に彼は死を恐れず、むしろ次の生への期待に胸を膨らませていた。
ところが、野良猫となった彼は初めて、愛する存在との別れを経験する。
それは、彼にとってかけがえのない存在の白猫だった。
白猫との出会いは、彼の人生を一変させた。
初めて自分から誰かを愛し、愛される喜びを知った瞬間だった。
しかし、その幸せは長くは続かなかった。白猫は病気にかかり、静かに息を引き取った。
100万回目の死。
しかし、今回は違った。彼の心には、深い虚無感と絶望感だけが空虚に広がっていた。
今まで堰き止めていた感情が、決壊したダムのように溢れ出し、彼の顔を熱い涙が伝い落ちた。
初めて味わう涙は、苦しくも清々しい。
100万回目の生を終えた彼は、ようやく死を悲しむことができる相手と出会えたことを悟り、静かに目を閉じた。
彼の涙は、単なる悲しみの涙ではない。
愛を知った喜び、そして失った悲しみ、全てが混ざり合った、彼の100万回目の生を象徴する涙だった。
100万回いきたねこ、その最後の涙の意味 解釈
それは、まるで呪いのように、何度死んでも蘇る運命をだった。
数え切れないほどの生と死を繰り返す中で、彼は愛を知り、悲しみを知り、そして涙を知った。
100万回目の生、彼の心は満たされ、最後の死を迎える。
人の死に涙を流せるほどの、本当の気持ちを出せる人と出会えたことで、彼は深い充足感を得たのだろう。
今まで流せなかった涙を全て流し、生きることの意味を実感できなかった過去を精算した。
ファンタジー的な表現では、魔法や呪いが解けたと言えるだろう。
彼は、ようやく本気になって人生を生き、人々と出会い、関わり始めた。
そんな彼の姿には、人生を大切に生きること、そして人を愛することの大切さを訴えるメッセージが込められているように感じた。
【必読】100万回生きたねこ：人生の意味を深く考えさせてくれる、珠玉の物語 まとめ
「100万回生きたねこ」 は、人生の答え を教えてくれる作品ではありません。
しかし、人生について深く考えさせられる 作品であることは間違いありません。
この作品を通して、
- 命の尊さ
- 生きることの意味
- 死について
改めて考えるきっかけ を与えてくれるでしょう。
読み手それぞれに受け取り方があるでしょうが、私は今回また読み直し、なにか大切なものや、欠けているものをさが行くことなのかと、自分の現状と重ね合わせ諭されるようでした。
多くの絵本は簡単なストーリーと表現で記されますので、個々に読み解きの余地が多くあると思います。
絵本の内容は侮れません。
子供の初期感受性形成にも繋がるものなので、詩的な構成も多く見られます。
こころが疲れた時にでも、読み返し、自己の振り返りのアイテムにしてはどうでしょうか？
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