ブラック企業の実態：横暴とモラル欠如がもたらす経営者の思い上がり

ブラック企業の実態は、厳しい労働条件だけにとどまりません。

経営者が取引先に対して横柄な態度をとる企業環境も深刻な問題です。
このような行為の根底には、経営者の傲慢さや倫理観の欠如があり、結果として企業の信頼を大きく損なうことになります。
特にBtoB（企業間）取引において、本来プロフェッショナルな関係を築くべき業者間で、失礼な対応が見られることは憂慮すべき事態です。
さらに懸念されるのは、経営者のこうした態度が社内に浸透し、従業員の間でも容認されてしまうことです。
また、このような不適切な行動が次第にエスカレートし、会社の集まりなどで更に悪化する傾向があることです。
例えば、次のような行為が横行するようになります

酔いつぶれるまで飲酒を強要する。
度を超えた叱責や罵倒。
深夜まで付き合うことを暗に強制する。

などと際限なくエスカレートしていきます。
企業は本来、効率的に仕事をするための組織であり、不必要に相手の感情を害するような対応は避けるべきです。

本記事では、このようなブラック企業に特徴的な経営者の問題行動と、それが企業全体に及ぼす影響について、私が身近に聞こえてきた内容を交えてお伝えしていきます。

ブラック企業における横暴の実態
経営者の思い上がりと企業文化
社長としての責任とモラル
ブラック企業の実態：横暴とモラル欠如がもたらす経営者の思い上がりまとめ

ブラック企業における横暴の実態

ブラック企業の問題の一つとして、経営者が出入り業者に対して危害を加える内容も聞こえます。

例えば、ある企業の社長が、飲み会の席で出入り業者の担当者の服を意図的に破ったという、信じがたい話を聞きました。
このような行為は、ビジネスの場ではなくても、普通に過ごしていて起こりえない出来事です。

一般の社会人が同じ行動を取れば、大きな問題となり、地域ニュースでも取り上げられることです。
知り合いの服を破くことなどあり得るでしょうか？
それでその人と関係を続けられるでしょうか？
明らかに立場を利用して、抵抗されないと思っての思いあがった対応です。

これは単にハラスメントや横暴というレベルを超え、人間としてのモラルが欠如していると言えるでしょう。

経営者の思い上がりと企業文化

こうした企業文化の背景には、経営者の思い上がりが存在します。

二代目社長や、いわゆる「ボンボン社長」に典型的な例ですが、彼らは親の成功を自分のものと勘違いし、実質的な決断力もないままにリーダーシップを気取っています。
創業者ではないので、今ある状況は先代までに築かれた土台の上で成り立っているにすぎません。
そこの認識が欠けているのか、その先代への敬意も見受けられません。
歪んだプライドが、素直に他社から学び、教えを乞うこともできません。
彼らは、周囲の評価を気にしつつも、自らの行動には責任を持たず、ただ威張り散らすだけの存在となりがちです。

このような経営者は、社内外での人間関係を悪化させ、企業文化全体に悪影響を及ぼします。
社員はもちろん、協力業者に対しても高圧的な態度を取り、それがエスカレートして暴力に発展することも必然になるでしょう。
こうした環境では、規則や規律に従い真面目に働く社員の意識の低下を促すことになります。
規則を守る意味さえ希薄になります。
また、企業の評判や信頼も大きく損なわれてしまいます。

忘れてはいけないのは、どんな企業も単独では業務が成り立たないということです。
企業は、その属する業界内で助け合い協同していくものです。
信頼を失っていると、本当に困っている時手を差し伸べてもらえるのでしょうか？
したがって、経営者には高い倫理観と責任感が求められます。
信頼される企業であり続けることが、長期的な成功と持続可能な成長へとつながるのです。

社長としての責任とモラル

経営者には企業を正しい方向に導く責任がありますが、その前に一人の人間としてのモラルが求められます。
社長という立場は、ただ権力を誇示するためのものではなく、社会の目に晒される代表者としての自覚が必要です。
社員もその企業の一員として同じ目で見られるため、経営者の行動が企業全体の評判に直結します。

また、企業の代表として、経営者は社員や協力業者に対して敬意を持った対応をする義務があります。
それにもかかわらず、無礼で行き過ぎた行動やが見過ごされるような環境が続けば、企業は内部から腐敗し、やがて崩壊の道へ向かうことになるでしょう。
そうした経営者がいる企業では、社員のモチベーションも失われていきます。