ChatGPTやGeminiを使っていて、「最初は良かったのに、会話が長くなるほどAIが指示を忘れていく…」と感じたことはありませんか?
「そうじゃなくて…」と修正を繰り返すうちに、画面は文字で埋め尽くされ、「結局どれが正しいんだっけ?」と迷子になってしまう。
これは、AIを使っていると本当によくある悩みですよね。
実は、AIをもっと賢く使うコツは「会話を続けること」ではありません。
「最初の指示を書き直すこと」こそが、最短で正解にたどり着く近道なのです。
この記事では、AIの記憶容量(トークン)を節約し、常に最高精度の回答を引き出す「プロンプト・リライト術」をご紹介します。
読み終わる頃には、「なんだ、こうすればよかったのか!」と目からウロコが落ちるはずですよ。
【この記事のポイント】
- 会話を継ぎ足すとAIが「ポンコツ」になる理由
- 「修正指示」ではなく「過去の指示を編集」する具体的な手順
- Windows Copilotと他ツールの賢い使い分け
なぜ「会話」を続けるとAIはポンコツになるのか?
AIの記憶力は無限ではありません。
会話が長く続くと、なぜ回答の質が落ちてしまうのか、その仕組みを少しだけ覗いてみましょう。
【このセクションのポイント】
- AIは毎回「過去の会話すべて」を読み直している
- 情報量が増えすぎると、古い指示を忘れたり嘘をついたりする
- 「どれが正解?」と私たちも混乱してしまう
AIの「記憶容量」には限界がある
私たちがチャットで新しいメッセージを送るたび、AIは「これまでの会話の履歴」を最初からすべて読み込み直して考えています。
つまり、会話が長引けば長引くほど、AIが読まなければならない量は膨大になっていくのです。
これを専門用語で「トークン(記憶容量)の消費」と呼びます。
情報量が限界に近づくと、AIは重要な指示を見落としたり、もっともらしい嘘(ハルシネーション)をつき始めたりします。
単純に処理する文字数が増えるので、返事が返ってくるまでの待ち時間も長くなってしまうのです。

私はGoogle AI Studioを使っていますが、会話形式で延々とやり取りしていた頃は、トークンがたまりすぎて返答に5分以上待たされたことがあります。
パソコンの動きが重くなるのと同じで、AIも会話がたまると動きが鈍くなっちゃうんですね。
「どれが決定版?」情報の迷子を防ぐ
修正を繰り返したチャット履歴は、私たち人間にとっても厄介です。
「あれ、正常に動いたコードはどっちだっけ? 上のやつ? それとも下の修正版?」
こんなふうに履歴を遡って探すのは本当に面倒ですし、うっかり途中の間違ったバージョンをコピペして失敗…なんてリスクも高まります。
会話形式を捨てろ!「遡って書き直す」リライト術の手順
では、どうすればAIを賢いまま保てるのでしょうか。
答えはとってもシンプル。
新しいメッセージで修正を依頼するのではなく、過去の自分の発言を「なかったこと」にして書き換えればいいのです。
【このセクションのポイント】
- 「修正して」と送るのを我慢して「編集ボタン」を使う
- AIからの質問には答えず、指示文に答えを混ぜてしまう
- 常に「最新かつ完璧な1往復」だけの状態にする
「編集ボタン」で過去を書き換える
ChatGPTやGemini、Claudeなどの主要なAIツールには、自分が送信したメッセージの横に「鉛筆マーク(編集ボタン)」がついています。
これを使わない手はありません。


AIの返答が微妙だった時、新しいチャットで「そうじゃなくて」と打つのをグッと我慢してください。
代わりに、一つ前の自分の指示の鉛筆マークを押して、「あ、書き忘れた!」と思った条件を追記し、「更新(Save & Submit)」を押しましょう。
こうすることで、AIは途中の中途半端なやり取りをきれいサッパリ忘れ、「修正された完璧な指示」だけを見て、最初から正解を出し直してくれます。
AIからの質問も「指示」に組み込む
時にはAIから「この部分はどうしますか?」と質問されることもあります。
この時も、「それは○○でお願いします」と返信してはいけません。
「それ聞いてくるってことは、指示が足りなかったんだな」と判断して、元のプロンプト(指示文)に戻り、その答えを書き加えて再送信しましょう。

「なんでそこにこだわるの?」とAIが変な返答をする時は、たいてい過去の会話に変な指示が残っています。
リライト術なら、そんなノイズもきれいに消去できますよ。
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この方法を取り入れる3つのメリット
この「リライト術」を習慣にすると、驚くほど作業がスムーズになります。
「いつまで待たせるの…?」というあのイライラからも解放されますよ!
【このセクションのポイント】
- 常に「解決済み」の状態からスタートできる
- 決定版のコードや文章が一目でわかる
- AIの処理待ち時間を大幅に短縮できる
常に「整理された状態」で返答が得られる
会話形式だと、途中の「間違った試行錯誤」もAIの判断材料になってしまいます。
リライト術なら、AIは常に「最新の正しい指示」だけを受け取るため、誤解が生まれる余地がありません。
「前の指示を忘れる」というAI特有のイライラも、これでほぼ解消できます。
「最新=正解」なので迷わない
この方法なら、チャット画面には常に「完成された指示」と「それに対する回答」のセットしか残りません。
あとから見返した時に「この会話の正解はどこ?」と探す必要がなくなり、「うっかり古いコードを使ってエラーが出た…」などのヒューマンエラーを防げます。
▼さらに詳しいプロンプトの基礎を知りたい方はこちら。
注意点:ツールごとの使い分けが重要
とても便利なこの手法ですが、すべてのAIツールで使えるわけではありません。特にWindowsユーザーのみなさんがよく使う「あのツール」には、注意が必要です。
【このセクションのポイント】
- ChatGPTやGeminiはこの手法に最適
- Windows Copilotは「遡り修正」が苦手
- 用途に合わせてツールを使い分けるのが正解
じっくり作業はChatGPT・Geminiで
文章作成、プログラミング、アイデア出しなど、何度も練り直す作業には、Web版のChatGPTやGoogle AI Studio(Gemini)、Claudeを使うのがおすすめです。
これらは編集機能が充実していて、このリライト術をバッチリ発揮できます。
サクッと検索はWindows Copilotで
一方で、WindowsのサイドバーにあるCopilotは、過去の会話を遡って修正するのが仕様上難しい(またはできない)ことが多いです。
Copilotは「プロンプトを練り上げる」のではなく、「検索の代わり」や「要約」として使い捨てる(1チャット1テーマ)のが賢い使い方です。
▼ツールごとの特徴や使い分けをもっと詳しく解説しています。
▼独学に限界を感じたら。DMM生成AI CAMPでプロの技術を習得する
公式サイトを見る【脱・チャット】AIとは会話するな。回答精度を劇的に上げる「プロンプト書き直し(リライト)」術 まとめ
AIとの会話は、積み上げるのではなく「磨き上げる」ものです。
これまでは修正のたびにチャットを送っていたかもしれませんが、これからは「編集ボタン」を探してみてください。
【記事のまとめ】
- 会話を長く続けると、AIは指示を忘れ、回答も遅くなる。
- 「返信」せずに「元の指示を編集」すれば、AIは常に賢いまま!
- 複雑な作業はChatGPTやGeminiでリライトし、Copilotはサクッと使い捨てる。
「会話の履歴を汚さない」ことは、デジタルライフを快適にする整理術の一つです。
ぜひ次回のAI作業から試してみてください。
「あれ、なんか今日AI賢くない?」と感じるはずですよ!
AI操作もキーボードショートカットでさらに効率化しましょう。



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