映画『告白』レビュー
映画『告白』、以前から気になっていたので、プライムビデオで視聴しました。
一番の感想としては、この映画は単なるホラー作品という印象です。
以前に原作小説を読んだことがあり、大まかな内容は把握していましたが、かなり前なので細部までは記憶が曖昧でした。
時も過ぎて親の視点から見ると、幼い我が子を失う悲劇とそれに伴う復讐の是非について深く考えさせられます。
一方で、その残虐な描写や過剰な演出は、観る人によって評価が大きく分かれる作品だと思います。
また、年齢や立場によっても、感情移入の対象が変わり、感想も変ってくるでしょう。
今回は、親の立場からの視点を中心に、この映画の魅力や問題点を掘り下げレビューしていきます。
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心理描写とエピソードの過剰さとCGの違和感
『告白』は心理描写が特徴的な作品です。
しかし、登場人物の内面をCG映像で表現するシーンがあり、個人的にはこの手法に違和感を感じました。
登場人物がショックを受けた感情をCGで表現している場面では、その視覚効果が過剰に感じ、作品への没入を妨げているように思えました。
ショックが視覚的に表現されていますが、過剰すぎる演出で、逆に物語から引き離されてしまう印象です。
原作者の作風でもあるでしょうが、それぞれのエピソードに嫌な設定や背景も盛り込みすぎの感があります。
それぞれの話に救われない要素が多く、視聴後感は重く、胸に澱のようなものが残る後味の悪さがあります。
多くの暗い背景が詰め込まれすぎているため、全体的にごちゃごちゃと押し寄せる印象です。
残酷さと復讐の正当性
『告白』は、復讐もテーマの一つとする作品ですが、その残酷な描写が陰湿過剰で、時に不快感を覚えます。
主人公の娘が命を奪われる事件は衝撃的ですが、その後の復讐から派生される殺人は余計で、物語がただの過激なエンターテインメントに成り下がってしまったように感じられます。
命が軽視されるような描写や、若者たちの独りよがりな無軌道さを通じて、映画全体に暗く重たい雰囲気が漂い続けます。
親としての視点から見ると、冒頭のエピソードがあまりにも衝撃的だったため、その後に展開される他の登場人物たちのエピソードに感情移入しづらくなってしまいました。
復讐をテーマにした作品として、命の尊さや復讐の本質について丁寧に掘り下げてほしかったと感じます。
親としての視点と感じた喪失感
映画『告白』の中心テーマは、愛する人を失った者のその後の生き方と、その喪失感がどのように変化していくかという点です。
特に小さな子を持つ親の目線では、冒頭のエピソードがあまりにも衝撃的で、強く感情移入させらます。
そのショックがあまりに強いため、その後の展開に気持ちを向けるのが難しくなるほどでした。
自分の子供の命が奪われるという状況は、想像するだけでも耐え難いものです。
そして、その喪失感を復讐で埋め合わせることなどできるのだろうかと、深く考えさせられます。
このような状況は絶対にあり得ない話ではないかもしれません。
現実的に考えると、大切な人を失った喪失感があまりにも大きすぎて、復讐すら考える余裕などないのではないでしょうか。
むしろ、深い悲しみに打ちのめされ、究極の無気力に達して人格が消えてしまいそうです。
私自身、心理的な耐性が強くないため、これほど過激な内容に触れると、「復讐を正当化しなければ、自分の存在意義さえ失ってしまうのではないか」と考えてしまいました。
それが正しいか否かに関わらず、深い悲しみから立ち直り、気力を奮い立たせるためには、子供の無念を晴らすための報復行動をせずにはいられないのかもしれません。
衝撃!映画『告白』徹底レビューと親目線の感想 まとめ
映画『告白』は、その過激なテーマと演出により、観る人により大きく評価が分かれる作品です。
特に幼い子を持つ親の視点からは、冒頭のエピソードの衝撃が強すぎて、その後の展開に気持ちを向けるのが難しくなるかもしれません。
残酷な描写や復讐の正当性について深く考えさせられる一方で、時折その過剰な表現が不快な後味の悪さを残すこともあります。
しかし、復讐をテーマにした物語として、失われるものの大きさや道徳的葛藤が描かれており、見る者に深い考えを促します。
個人的な感想としては、喪失のターゲットとして小さな子供という点は、刺激が強すぎました。
それぞれのシーンに込められた意味はあったのでしょうが、子供を失うという悲しみに心を捕らわれてしまい、物語全体を受け止められませんでした。
正直、あまり深く考えたくないような、嫌な部分を刺激されて、とても不快な気持ちが視聴後の感想です。
気持ちが耐えられないので、もう一度見たいとは思えません。
この作品が観る者の心に残すものは、個々の年齢や立場、価値観によりそれぞれ異なるものでしょう。
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